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「アイ・エイ・アイ」:IAI

東京都美術館
東京都美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36

     
ボイマンス美術館所蔵
ブリューゲル
バベルの塔
BABEL
Collection of Museum Boijmans Van Beuningen Bruegel's
“The Tower of Babel” and Great 16th Century Masters

16 世紀ネーデルラントの至宝 ―ボスを超えて―

 オランダを代表する美術館のひとつ、ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館からピーテル・ブリューゲル 1 世の 《バベルの塔》 が 24年ぶりに来日する展覧会が実現しました。 さらに、ヒエロニムス・ボスの 《放浪者(行商人)》 と 《聖クリストフォロス》 も日本で初めて展示され、合わせて同時代の彫刻や油彩画、版画など約 90点が同館から出品されます。 宗教的主題を描く時代から、ボスが登場し、風俗画や風景画など新しい画題が画家たちの間に広がっていくなかで、ブリューゲルが現れ、独自の画風を築き上げていきました。 本展は、15世紀末から 16世紀にいたるネーデルラント美術の世界を幅広く紹介します。

 ボスの描く、謎めいたモンスターや背景のモティーフ、そしてブリューゲルの農民や市井の人々への鋭いまなざしや驚異の細密描写は、16世紀ネーデルラントの人々を魅了し、たいへんな人気を博したと言われています。 彼らの作品は 21世紀の私たちの眼から見てもなお、新たな驚きと刺激に満ちています。

会期: 2017 4/18 [火]〜 7/2 [日] 巡回展は終了しました。
休室日: 月曜日 (ただし、 5月1日[月] は開室)
開室時間: 午前 9時30分 ― 午後 5時30分 (金曜日は午後 8時)
※入室は閉室の30分前まで

東京会場:
東京都美術館企画展示室
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、TBS


大阪会場: 2017 7/18 (火) - 10/15 (日) 国立国際美術館 大阪・中之島
主催:国立国際美術館、朝日新聞社


'2017 4_17 「バベルの塔」展のプレス内覧会と開会式の会場内風景のご紹介です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

「バベルの塔」開会式

「バベルの塔」展 opening
 プレス内覧会 & 開会式 東京都美術館 '2017 4_17



ブリューゲルの傑作 「バベルの塔」 24 年ぶりの来日!

そして、奇想の画家ボスの傑作 2 点が初来日!


「バベルの塔」展」 展覧会の概要 ― 「バベルの塔」展の報道資料、プレス説明会、他よりの抜粋文章です ―

 オランダを代表する美術館のひとつ、ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館からピーテル・ブリューゲル 1 世の傑作 「バベルの塔」 と、奇想の巨匠ヒエロニムス・ボスの 「放浪者」、「聖クリストフォロス」 など、絵画、彫刻、版画の 16 世紀ネーデルラント美術のコレクション約 90 点の 8部構成の展示です。

T) 16世紀ネーデルラントの彫刻
U) 信仰に仕えて
V) ホラント地方の美術
W) 新たな画題へ
X) 奇想の画家ヒエロニムス・ボス
Y) ボスのように描く
Z) ブリューゲルの版画
[) 「バベルの塔」 へ

 東京藝術大学の協力で、最新技術による 「バベルの塔」 の拡大複製画を制作。 東京藝術大学COI拠点のもつ高精度の質感を伴う複製技術を用いて、「バベルの塔」の巨大複製を制作。 ブリューゲルの細密な描き込みを細部まで堪能して頂けます。 科学技術の進歩に伴う 2 D/3 D 技術と芸術家の視点を組み合わせ、「バベルの塔」 に描かれた世界を動画で表現。 多彩なメディアを駆使し、「バベルの塔」 の世界観をより深く楽しんで頂けます。


画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。
'2017 4_17 「バベルの塔」展 プレス内覧会の作品説明会、「バベルの塔展図録」「PRESS RELEASE」などの抜粋文章です。

作者不詳《十字架を担うキリスト、磔刑、十字架降下、埋葬のある三連祭壇画》
・7

T 16世紀ネーデルラントの彫刻
 15-16世紀のネーデルラント絵画は世界的な名声を博しているが、同じ時期のものでも彫刻となると、今日、ほとんど関心がない。 当時は大規模な彫刻工房があり、石彫家や木彫家は、平面作家たちに人気の点では引けはとらなかった。 ほとんどの教会には、キリストや聖母、聖人の生涯を表す場面の優れた木彫りが祭壇に備えられていた。

アルント・ファン・ズヴォレ?《四大ラテン教父:聖アウグスティヌス、聖アンブロシウス、聖ヒエロニムス、聖グレゴリウス》
・1

・7 作者不詳 (南ネーデルラントの彫刻家、1500年頃にブリュッセルで活動) 《十字架を担うキリスト、磔刑、十字架降下、埋葬のある三連祭壇画》 1500年頃 胡桃材、オリジナルの彩色が一部に残る 39.2 x 58 x 3.5cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands ・1 アルント・ファン・ズヴォレ? (1460年頃-1492年にズヴォレとカルカールで活動) 《四大ラテン教父:聖アウグスティヌス、聖アンブロシウス、聖ヒエロニムス、聖グレゴリウス》 1480年頃 オーク材 各約 74 x 21 x 16cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

・7 キリストの受難を表す、情景は克明に描写され、人物の表情は個性にあふれている、人物の服装、甲冑の形からこの様々な情景を刻んだ小さな三連祭壇画は 1500年頃の作と推定される。 ・1 西方教会の4大ラテン教父彫像、4人は初期キリスト教会で最も権威のある神学者、書簡あるいは著述を通じて、4人はキリスト教会発足以降7世紀の間、西ローマ帝国で教養の擁護にあたった。



コルネリス・エンゲブレフツ《良き羊飼いとしてのキリスト》
・20

V ホラント地方の美術 コルネリス・エンゲブレフツ、ルカス・ファン・レイデン、ヤーコブ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン
  15世紀の南ネーデルラント(ベルギー)は、文化面ではイタリアと並びヨーロッパを先導した。 16世紀、特異な個性を有する絵画の伝統が、ホラント地方(オランダ中心部)では最大の都市レイデンで徐々に形成された。エンゲブレフツの画風は、アントウェルペンの影響下にあったが、弟子のルカス・ファン・レイデンは、この都市出身の画家として初めて国際的な名声を博した、 作品を見れば、同じくレイデン出身の巨匠レンブラントが、1世紀前に活躍した同郷の画家を深く敬愛したのも納得できる。

ヤーコブ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン《アウフステイン・ファン・テイリンゲンの肖像》《ユドーカ・ファン・エグモント・ファン・デル・ニーウブルフの肖像》
・25/26

・20 コルネリス・エンゲブレフツ (レイデン 1460/1462年-レイデン 1527年) 《良き羊飼いとしてのキリスト》 1510 年頃 油彩、板 25.4 x 44.2cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands 左・25 ヤーコブ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン (オーストザーン 1460/1465年頃-アムステルダム 1533年) 《アウフステイン・ファン・テイリンゲンの肖像》 1520 年頃 油彩、板 51 x 34.5cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands 右・26 ヤーコブ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン (オーストザーン 1460/1465年頃-アムステルダム 1533年) 《ユドーカ・ファン・エグモント・ファン・デル・ニーウブルフの肖像》 1530 年頃 油彩、板 51.3 x 34.6cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

・20 構図の中心にいるのは子羊を膝に抱いたキリスト。 キリストの降臨は新約聖書の預言者、洗礼者ヨハネによって告知される。 キリストが近づいてくるのを見て、ヨハネは言う。 「見よ、世の罪を取り除く神の羊だ」。 この絵では赤い外衣をまとって描かれているヨハネが子羊を指すのはそのためである。 絵の右手にキリストの 「予型」、あるいは前触れとなる、十戒を記した石板を示す預言者モーセとキリストの祖先にあたるダビデ王、王の一般的な持物のハーフを奏でる。 この二人は共に旧約聖書を、キリストと洗礼者聖ヨハネは新約聖書を象徴する。



ヒエロニムス・ボス《放浪者(行商人)》・41

X 奇想の画家ヒエロニムス・ボス
  ネーデルラントの最も有名な画家のひとり ヒエロニムス・ボスは、王侯貴族や裕福な貿易商を顧客を持ち、独特でありながら伝統に深く根差す画家でもあり、同時期の画家同様作品の多くは、キリストの受難と聖人の姿を描いた。 ボスの独創性はその奔放な想像力にあり、それはなによりも人間を脅かす奇怪な生き物によって表現される。 キリスト教に関連する主題だけでなく、日々の暮らしを描いた最初の画家のひとりであった。 今日ではおよそ油彩画 25点と素描 10点の存在が知られるにすぎない。

ヒエロニムス・ボス《聖クリストフォロス》
・42

・41 ヒエロニムス・ボス (スヘルトーヘンボス 1450年頃-スヘルトーヘンボス 1516年) 《放浪者(行商人)》 1500 年頃 油彩、板 71 x 70cm
Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands ・42 ヒエロニムス・ボス (スヘルトーヘンボス 1450年頃-スヘルトーヘンボス 1516年) 《聖クリストフォロス》 1500 年頃 油彩、板 113 x 71.5cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

・41 ヒエロニムス・ボスは、日常の風景を初めて絵に描いた画家のひとりで、この絵は 《放浪者(行商人)》 で聖書の物語でもなければ、聖人も登場しない。 これは、背に負う籠に商う物を入れたみじめな人間の姿だ。 日常の光景を描いた例は数少ないが、これにより、17世紀オランダの風俗画家の偉大な先駆者となった。 ・42 巨人レプロブスは世界で最も力のある人に仕えたいと願い、危険な川を渡ろうとする旅人を背負い、対岸に送り届けえていた。 ある日のこと、小柄な少年を向こう岸に連れて行くことになったが、歩むほどに少年の身体は重くなり、対岸に着くのがやっとのありさまであった。 レプロブスが少年になぜそれほど重いのか問うと、世界と世界の創造者をともに背負ったからと返答があった。 巨人は名を クリストフォロス (キリストを担う者) に改める。   



ピーテル・ブリューゲル1世《野ウサギ狩り》
・76

Z ブリューゲルの版画
  ピーテル・ブリューゲル1世は宗教画と田舎の情景によって名声と高い評価を得たが、同時代人の多くはブリューゲルをまず何よりも優れた版画家と理解していたに違いない。 ブリューゲルが版画制作の全工程を自らの手で担ったのは一度だけで、1560年作のエッチング 《野ウサギ狩り》 のみである。 ブリューゲルの名を冠したこれ以外の版画はどれも 「ブリューゲルに基づく」 もので、ブリューゲルは下絵を考案し、作品はピーテル・ファン・デル・ヘイデンやフィリップス・ハレなど、専門の彫版師との緊密な協力関係のもとに制作された。 これを主導したのは原作者や銅版制作者ではなく、版元側で ブリューゲルの場合にはヒエロニムス・コックがそれに当たる。

ピーテル・ブリューゲル1世《石の切除》《ホーボーケンの縁日》
・82/81

・76 ピーテル・ブリューゲル1世 (ブリューゲル 1526/1530年頃-ブリュッセル 1569年) 《野ウサギ狩り》 1560年 エッチング 22 x 29cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands 左・82 ピーテル・ブリューゲル1世 (ブリューゲル 1526/1530年頃-ブリュッセル 1569年) 彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン(アントウェルペン 1530年頃-アントウェルペン 1572年頃)《夏》(連作『四季』より) 1570年 エングレーヴィング 21 x 28.4cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands 右・81 ピーテル・ブリューゲル1世 (ブリューゲル 1526/1530年頃-ブリュッセル 1569年) 彫版師不詳《野生人》 1566年 木版 27.7 x 41.4cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

・76 この作品はブリューゲルが図柄を考え、自ら版刻した唯一の版画として名高い。 暖やかな描写、無数の短い筋や点を伴う不揃いな線の扱いは当時としては珍しく、17世紀のレンブラントの作品に見られる自由なエッチング技法を予感させる。 ・82 季節は夏、太陽は天高く、村野の周辺の畑を明るく照らしている。 農夫たちは 収穫作業の真っ最中である。 ・81 ここに描かれたような旅芝居の一座は、ブリューゲルの時代にはありふれた光景だった。 「告解の火曜日」 などの宗教的な祭日には、こうした芸人たちが角付けをしてまわった。



ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館

ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館

建設予定の新館 「パブリック・アート・デポ」 外観のイメージ
Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands
(「バベルの塔」展・説明パネルの抜粋画像)

現在のボイマンス美術館本館、展示館
 Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands
(「バベルの塔」展・説明パネルの抜粋画像)

ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館 (ボイマンス美術館)  ―展覧会パネルより抜粋文章―

 ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館(通称ボイマンス美術館)はオランダの港湾都市ロッテルダムに立地する。 13世紀から今日に至る絵画、彫刻、素描、版画、写真、装飾品、工芸品およそ 14万 5千点を収蔵し、西洋美術ではオランダ有数のコレクションを誇る。
 当館は発足当初より個人コレクターから多大な恩恵を受け、館名もそのうちの 2人のコレクターにちなむ。 1847年、法律家の F.J.O.ボイマンス氏が、自身の美術品コレクションを遺言によりロッテルダム市議会に譲渡した。 美術館はその 2年後に開館する。 1958年には海運王D.G.ファン・ベーニンゲン氏のコレクションを入手し、その重要性を踏まえ名称をボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館と改めた。
 今回展示されるピーテル・ブリューゲルとヒエロニムス・ボスの傑作は、ボイスマンス美術館の誇る名品の一部にすぎない。 このほかにもレンブラント・ファン・レイン、ピーテル・パウル・ルーベンス、クロード・モネ、フィンセント・ファン・ゴッホ、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリットの秀作を収蔵している。
 ボイマンス美術館は、市民の美術への積極的な参加を促す画期的な方法を常に探求しており、その一環として、2020年には美術館に隣接して、コレクション収蔵型展示室 「パブリック・アート・デポ(公開美術倉庫)」 が創設される予定。 パブリック・アート・デポは 5千平方メートルを超える空間を活かし、毎年 10万人を越す来館者に膨大なコレクションのほぼ全容を見せることが出来る。

ピーテル・ブリューゲル
ヒエロニムス・ボス

・63 ヨハネス・ウィーリクス (アントウェルペン 1549年-ブリュッセル 1620年頃) 《ピーテル・ブリューゲル1世の肖像》 1572年 エングレーヴィング 20.5 x 12.5cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

・40 ヘンドリック・ホンディウス 1世 (デュッフェル 1573年-ハーグ 1650年) 《ヒエロニムス・ボスの肖像》 1610年 エングレーヴィング 14.9 x 11.8cm Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

ピーテル・ブリューゲル (c.1526/30-1569)

ヒエロニムス・ボス (c.1450-1516)

 生前ブリューゲルは 「第二のヒエロニムス・ボス」 と呼ばれた。 ボスと同様に、ブリューゲルも怪物や悪魔の跋扈する奇怪な絵だけでなく諺や物乞い、百姓などの日常的光景を油彩で描き、素描もしたが、どれひとつとしてボスの絵と混同されることがない。 繊細な描法、個性的な人物、比類ない風景描写のどれを見てもあまりに違いすぎるからである。 ブリューゲルのものとして知られる 42点の作品の中には、宗教主題を描いたものが数多く含まれる。 ブリューゲルが聖書の物語に集中して、聖人は描いていないのは興味深い。 ただし聖書に登場する洗礼者聖ヨハネと聖母マリアだけは例外である。 こうした傾向には、翻訳の相次ぐ出版で、より身近になった聖書の存在が改めて注目された 16世紀の状況が反映されている。 聖書に取材した物語画は教会の祭壇に飾るのではなく、富裕層の自宅に掛けられるために制作され、キリスト、マリア、聖人を描いた礼拝用の絵画とは異なる役割を果たしたと考えられる。 《バベルの塔》 など、名人芸の極致とはいえる驚くべき傑作で、鑑賞者に画家と共に自らが画面の中に描かれた世界にいるように思わずにはいられない。

 本名はヒエロニムスまたはイェルーン・ファン・アーケン。 数世代にわたり絵画制作を稼業とする家系に生まれ、地元に向けて作品を制作していたが、ボスが家長になってから、その名声は国外にまで鳴り響く。 ボスは低地諸邦の出身者としては、意識的に独自の作風を追求した最初の画家でもある。 ボスの独創性は主題にあるのではなく――彼の宗教画は長い伝統にすんなり収まるのである――、ありとあらゆる奇妙な創意をつけ加えたところにあり、名高い怪物たちもそのひとつである。 ボスの描き方もたいへん風変わりで、同時代の画家たちよりもはるかに自由な筆遣いを特徴とする。 ボスは絵具を明らかに素早く塗り、筆痕がはっきり見分けられる。 ボスはまた 《放浪者(行商人)》 のように、日常の情景を絵画の主題にとりあげた最初の画家でもあった。 ボスは多くの点で中世の慣習を継承、発展させたが、独創性を強く打ち出した点では新時代を代表する存在でもあった。 ルネサンスが最盛期を迎えていたイタリアにおける状況とも比較しうる現象が見られ、ボスとレオナルド・ダ・ヴィンチが生きた時代はほぼ完全に重なる。

 ネーデルラント(低地諸邦)はおおよそ現在のベルギーとオランダに相当する。 低地諸邦はヨーロッパでも最も都市化の進んだ地域のひとつだった。 大都市はいずれも南部にあり、14世紀、15世紀はヘント(ゲント)とブリュッヘ(ブリュージュ)、16世紀にはアントウェルペン(アントワープ)とブリュッセルが最大規模を誇る。 北部の諸都市、ユトレヒト、スヘルトーヘンボス、レイデン、アムステルダムは遅れをとった。 本展に出品される同時代の画家たちによる作品が描かれた 15世紀から 16世紀にかけては、低地諸邦の南部諸都市が大いに繁栄しました。 この頃から多くの富が蓄積され、文化の振興も目覚ましく、それは北部にも波及します。 ライン川の三角州に開けた海抜の低い、強風と海との闘いに明け暮れる小国オランダが、世界に冠たる国家となる時代が到来したのです。 科学の発達と技術革新、信仰と報道の自由、探究心と進取の気性に富む国民性、そして帆を高く張った快速船が私たちを彼方の地へと導き、皆様の国、美しい日本との出会いにも恵まれました。



お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト:http://babel2017.jp
東京都美術館サイト:http://www.tobikan.jp
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、TBS

後援:オランダ王国大使館、オランダ政府観光局、ベルギー・フランダース政府観光局
協賛:ダイキン工業、大日本印刷、トヨタ自動車、みずほ銀行、三井物産、損保ジャパン日本興亜
特別協力:東京藝術大学COI拠点


参考資料:「バベルの塔展」PRESS RELEASE & 報道資料 、他。
※写真撮影の掲載等は、主催者の許可を得て行っております。
※画像の無断転載禁止


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